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コーヒー 人と自然と響きあう

前回の話はこちら右差しお父さんが死んだ /

 

 

人のいのちがかかっているとき、

初めて本当の本当の選択をする。

 

 

 

それが自分に不利益でも、

非難されることでも、

 

 

人に理解されないことでも、

一見非常識なことでも、

 

 

 

自分の選択が、

人のいのちに関わると分かった時、

 

 

 

"人を「生かす」選択"は何なのかー。

 

 

 

初めて、自分ごとになって考える。

 

 

 

自分にまつわるすべてを捨てて、

それを選べるのか。

 

 

 

 

試されていると思う。

 

 

 

 

この時、私は試されていたんだーー。

究極の選択、というのがやってきていた。

 

 

 

エイジさんの「死」というイベントが、

お通夜、お葬式とクライマックスを迎えていた。

 

 

 

 

お葬式には、

葬儀会社もびっくりするほど人が来て、

警察も出動したほど。



近所では少し話題となった。

 

 

 

 

お義父さんのエイジさんは、

家族の背骨のような役割だった。

 

 

 

また家族だけではなく、

彼が関わるすべての場所で

そうだったということを知った。

 

 

 

 

だってお葬式には、背骨を抜かれ

ヘロヘロになった人たちが沢山やってきたから。

 

 

 

 

どのようにエイジさんに支えられてきたのか、

一生懸命伝えようとしてくれた。

 

 

 

 

背骨を失った私たちは、

新しいバランスを見つける必要があるのだろう。

 

 

 

 

村にあった大きな大きな一本の木は、

 

 

 

ある人にとってはただの木陰として、

 

 

 

ある人にとっては、

実を収穫して生計を助けてくれる木として、

 

 

 

ある人は、背中を預けて

休ませてくれる唯一の場所であるように、

 

 

 

 

その木からの恩恵は、人それぞれ違う。

 

 

 

 

大きな木が急に切り倒された時、気づく。

 

 

 

 

一体その木からどんな恩恵をもらっていたのか、

初めて分かったりするのだ。

 

 

 

 

エイジさんという木がなくなり、

一体自分は何を失ったのか、それぞれが違った。

 

 

 

 

そして失った大きさだけ、影が落ちた。

 

 

 

 

 

 

 

 

お通夜、お葬式が終わったあと、

残された人の心境を知っているだろうか?

 

 

 

 

 

突然の死から紛らわせてくれるのは、

"お葬式"というビックイベントだったりもする。

 

 

 

 

だけれど、急にその目的が終わった途端、

どこへ行ったらいいのか、分からなくなるんだ。

 

 

 

 

そして無意識に、次の目的を探す。

 

 

 

 

自分たちが、これから生きるために。

 

 

 

 

これからどんな思いで生きていくのか、

 

 

 

 

この影を埋めるには、どうしたらいいのかー。

 

 

 

 

 

お葬式が終わり、私たち家族を乗せた船は、

あまりよくない波に乗ろうとしていた。

 

 

 

 

 

健太が、これからは家族のために生きると言い始めたのだ。

 

 

 

 

 

身体があまり強くないお母さんが

急に未亡人になり、

隣のおばあちゃんを助ける人もいない。

 

 

 

 

自分が守らないと!

という、優しい気持ちからだろう。

 

 

 

 

ぽっかりと空いたエイジさんという役割に、

今度は自分が入ろうとしているのが分かった。

 

 

 

 

すると家族もなんとなくそういう方向へ向かう。

 

 

 

 

喪に服すという言葉で、

みんなで悲しみの洞窟へと入っていく。

 

 

 

 

 

わたしはざわざわした。

 

 

 

 

なんとなく、みささんは

すぐいなくなってしまうんじゃないかと思えた。

 

 

 

 

隣のおばあちゃんも、

いなくなってしまうように思えた。

 

 

 

 

健太も、エイジさんと同じ道を辿るような気がした。

 

 

 

 

 

急に、大切な人たちが、

みんないなくなってしまう予感がした。

 

 

 

 

 

 

冗談じゃない!

 

 

 

 

 

誰かの死を背負って、

命を削るように生きる大切な人たちの姿は、

 

 

 

 

見たくない。絶対に。

 

 

 

 

 

絶対に嫌だ・・・

 

 

 

 

 

だけど、どうしたらいいか分からなかった。

 

 

 

 

 

お葬式から、時間がゆっくりと過ぎる。

 

 

 

 

葬儀のお礼の品についてだったり、

お別れを言いに、遠方からの来客の対応だったり、

 

 

 

 

細々した用事はあるけれど、

他の時間は何もできない間延びした時間が続く。

 

 

 

 

時間が過ぎるにつれ気持ちがはやる。

"次のことを早く決めてしまいたい"という思いが、

 

 

 

 

未来を決めようとしていた。

 

 

 

 

次に住む場所や、仕事など、

具体的な話も出てくる。

 

 

 

 

 

私は焦りが止まらなかった。

悪い予感だけがして、でも確信もなかった。

 

 

 

 

 

健太の決意も、家族のこれからの行方も、

何も間違っていない。

 

 

 

 

むしろ彼の決断なんて、

褒められるべきことだろう。

 

 

 

 

 

でも胸のざわざわは収まらなかった。

 

 

 

 

 

どうしたらいいか分からず、

そういうときはいつも、

こっそりエイジさんの寝室へ行った。

 

 

 

 

エイジさんのベットに座って、静かに目を瞑る。

 

 

 

 

 

そうすると、エイジさんと話せる気がするんだ。

 

 

 

 

 

祈るような気持ちで、何度も問いた。

 

 

 

 

 

『どうしたらいい?

 

 

 

 

エイジさん・・・どうしたらいい・・??

 

 

 

 

私は何をしたらいいの・・????

 

 

 

 

お願い、どうか教えて・・・!』

 

 

 

 

 

その日も、いつものように、

エイジさんの部屋を訪ねていた。

 

 

 

 

すると、この日は答えが返ってきたのだ・・。

 

 

 

 

気のせいかもしれない。

だけど確かにそんな気がしたんだ。

 

 

 

 

それは、

 

 

 

 

東京でエイジさんの死を聞いたときに、

言われたあの言葉だった。

 

 

 

 

 

 

「頼んだよ、まほちゃん!」

 

 

 

 

 

 

そして、そのあとの言葉も、

 

 

 

 

 

やっと聞こえた。

 

 

 

 

 

聞くことができたんだ。

 

 

「希望を!」

 

 

 

 

 

 

そのとき、初めて"悲しい"じゃない涙がこぼれた。

 

 

 

 

目の奥が、カッと開いて、

やっと波の上に出られた気がした。

 

 

 

 

 

そうか、あの時、

何を頼まれたか分からなかったけれど・・・

 

 

 

 

 

 

「頼んだよ、まほちゃん!

 

 

 

 希望を!

 

 

 

 

 

だったのか・・・・・。

 

 

 

 

自分が亡くなって、「希望」を・・・。

あはは。なんて非常識で、不謹慎な。

 

 

 

 

と少し笑えて泣けた。

だって、エイジさんならそう言う。

 

 

 

 

健太に、自分と同じ学校の先生という道ではなく、好きなことをやれと言って、

 

 

 

息子の破天荒な挑戦を、

一番誇りに思ってた人だったからー。

 

 

 

 

 

「意味が分からん」と笑いながら、


あーす・じぷしーの表紙をこっそり携帯の待ち受けにしてくれていた人だったからー。

 

 

 

 

 

 

私たちが、違う未来を望むならーーー、

 

 

 

 

 

もっと幸福な未来を生きるならーー、

 

 

 

 

 

 

「希望を」

 

 

 

 

 

それが答えだ。

 

 

 

 

嫌われる勇気

 

 

 

次の日、健太をカフェに誘った。

 

 

 

 

もう私は肚を決めていた。

嫌われ者の、非常識ヤローになることを。

 

 

 

 

下手したらお別れかもしれない。

 

 

 

 

だけど全く構わない。

 

 

 

 

失うものより、

得られる利益の方が、遥かに大きい。

 

 

 

 

カフェのテーブルに、健太と向かい合って座る。

 

 

 

 

久々にゆっくりと見た彼は、

心も体も辛そうだった。

 

 

 

 

お父さんが死んでから、

何度も心臓が痛いと言っていた。

 

 

 

 

夜、一人で泣いてるのも知ってる。

 

 

 

 

誰よりも彼に、濃い影が落ちていただろう。

 

 

 

 

二人でいろいろ話したけれど、よく覚えていない。

 

 

 

 

 

私は一人、プレゼン前とか試合の前の

手に汗握る緊張感だった。

 

 

 

 

 

喉がカラカラに乾いて、

いくら飲んでもコーヒーの味がしない。

 

 

 

 

そしてタイミングを見計らい、言った。

 

 

 

 

最悪の一言を。

 

 

 

 

 

「健太・・、健太は逃げてる。」

 

 

 

 

 

え?っとゆっくりと顔を上げた、

健太の顔が真っ赤だった。

 

 

 

 

「健太は逃げてる。」

 

 

 

 

「健太はやることがある。もっと。」

 

 

 

 

健太は顔を真っ赤にして震えていた。

腹の底から、怒っていた。

 

 

 

 

「なにが・・・何がわかるんやっ・・・!

 

 

 血も繋がってないマホに、何がわかるんや!

 

 

 俺の苦しさがわかるか!」

 

 

 

 家族の辛さが分かるんか!!」

 

 

 

 

 

怒涛の怒りが押し寄せてくる。

私の常識や、良心も手伝い私を責め立てる。

 

 

 

 

「親父が死んだんだぞ?気持ちがわかるか!?」

 

 

 

 

本当は一緒に悲しみに落ちたい。

寄り添って、一生一緒に悲しもうって言いたい。

 

 

 

 

ゆっくりゆっくり前を向こうと言いたい。

 

 

 

 

それがベストな時も絶対ある。

 

 

 

 

だけど、今回はそうじゃない。

これだけはひけない。

 

 

 

 

私の場所からだけ、見えていることがあった。

 

 

 

 

それは今、私たち家族は岐路にいるということ。

 

 

 

 

 

二つの分かれ道に差し掛かっていて、

どちらを選ぶこともできる。

 

 

 

だけど、その道が交わることは当分ないし、

 

 

 

次の道に出るまでは、少し後になるだろう。

 

 

 

 

今ここで、”どんな道を選ぶか”というほんの些細な選択が、

 

 

 

 

実は”全く違う未来へ”と繋がっているように見えた。

 

 

 

 

それと同時に、神様に試されている、ような気もした。

自分自身が。

 

 

 

 

もっと妻らしく、評価される振る舞いも、

私にも彼にも、心地のいい言葉も、

 

 

 

 

いくらでも選べた。

 

 

 

 

だけど、初めて、本当に考える。

目の前の家族が、いなくなるかもしれない時、

 

 

 

 

本当に人を救うものは、なんなのか。

 

 

 

 

”あの時こうしておけば・・・”

という後悔の後のセリフの、

 

 

 

 

”こうしておけば”は、はなんなのか。

 

 

 

 

その未来から見たら、

”こうしておけば”を実行するのは、今だーー。

 

 

 

 

 

「健太は逃げてる!

 エイジさんは、健太にそういう生き方を望んでいない!」

 

 

 

 

 もっとやることがある!

 いつかやろうとしたことを、今だからやろうよ!」

 

 

 

 

 

カフェを出た帰り道、

逃げるように早足で歩く健太の後ろ姿に言う。

 

 

 

 

必死で追いかけながら、言う。

 

 

 

 

 

健太は怒って悔しくて、辛くて、痛くて、

うつむいて肩を震わせて泣いてた。

 

 

 

 

 

後ろから追いかける、私も泣いてた。

 

 

 

 

 

 

その日から、不思議な出来事が起こる。

 

 

 

 

家に帰り、夜までお義母さんのみささんと話していた。

 

 

 

 

「これから旅行に行きたい」という話で盛り上がった、

 

 

 

 

しかも買い物や観光が目的のものではなく、

 

 

 

神社やチベットなど、

深い思想や文化に触れる旅に出たいのだそうだ。

 

 

 

 

それを聞いてとてもワクワクした。

 

 

 

 

今まで家族のためだけに生きてきたみささんの、

新しい一歩だ!

 

 

 

 

目の前が開けた気がした。希望を感じた!

 

 

 

 

「だけどね・・・やめとく。」

 

 

 

 

「とにかく一年は喪に服して、

おばあちゃんとか家族のために過ごすね。」

 

 

 

 

と、みささんは締めくくった・・。

 

 

 

 

自分が旅行に行っている時に

エイジさんが亡くなったことも関係してるだろう。

 

 

 

 

他の親戚の目もあるかもしれない。

 

 

 

 

悪気がなくとも、何度か、

「旦那さん、予兆はなかったの?気づかなかったの?」

 

 

 

 

と、いう質問もされていたようだった。

 

 

 

 

そっか・・・、と

何も言えず悲しくなった。

 

 

 

 

「じゃあ先に寝るね。

 おやすみなさい」

 

 

 

そう言って、パタンとドアを閉め、

みささんは2階の自分の部屋へと上がってしまった。

 

 

 

 

 

するとーー、

 

 

 

 

 

ブチン!

 

 

 

 

 

という音がして、

急にテレビがついたのだ・・・。

 

 

 

 

 

もちろんリモコンにも触っていないし、

私がいる場所からテレビまで数メートルはある。

 

 

 

 

 

テレビ予約でもしていたのかな?

 

 

 

 

と思い、だけど深夜に・・・?

と不思議になりながらみささんを呼んだ。

 

 

 

 

「みささーーん!みささん!

 テレビ予約してる??これ切ってもいいの??」

 

 

 

 

「ええ???予約なんて使ってないよ!」

 

 

 

 

みささんもダダダと階段を駆け下りてきた。

 

 

 

 

「え!?テレビが急についたんだよ・・・!」

 

 

 

 

「うそぉ!?!?え・・・???」

 

 

 

 

 

そして二人でテレビを見ると、

そこには真っ赤な鳥居の映像が流れたのだ。

 

 

 

 

二人とも声が出なかった。

 

 

 

 

 

それは広島の宮島の映像。

エイジさんが、勤務していた場所だった。

 

 

 

 

「・・・・・みささん、、!!これって・・!」

 

 

 

 

「・・・・・なんで・・・?

これ、エイジさんの仕業だよね・・絶対・・・・・。

 

 

 私が旅なんてしないって言ったからかな・・・?」

 

 

 

 まほちゃん、あれ引かせて!ミラクル!」

 

 

 

 

ミラクルとは、私たちが次に出版するために作っていた本だった。

 

 

 

 

質問してページを開いた場所にメッセージがある、という変わった本で、

 

 

 

 

それは旅の経験がきっかけだった。

 

 

 

 

旅では様々な偶然が、

自分のメッセージとなって必要な場所へ運んでくれた。

 

 

 

占いとか魔術とかそういう類のものではなくて、

 

 

 

「自分が開いて自分の人生に現れた言葉は、

 自分へのメッセージだーー。」

 

 

 

という考え方からだった。

 

 

 

まだ本になる前のお試し段階で、

メッセージをおみくじのように細長い紙に書いて、

袋に手を突っ込んで使っていた。

 

 

 

 

100種類以上の言葉が入った袋に手を入れる。

 

 

 

 

「みささん、なんて聞く???」

 

 

 

「エイジさんに聞く!なんて言ってるのか、教えてもらう。」

 

 

 

 

袋の中でクシャクシャと神の擦れる音がして、

一枚細長い紙を引いた。

 

 

 

 

なんて書いてあるのか二人で覗き込む。

 

 

 

 

私もみささんも、目に涙がたまって文字が歪んだ。

 

 

 

 

 

「旅に出る」

 

 

 

 

だったのだ・・・・・。

 

 

 

 

それから。

 

 

 

 

奇跡は続く。

 

 

 

みささんは、

エイジさんと頻繁に夢で会うようになった。

 

 

 

 

みささんが、希望へ踏み出した時

エイジさんはニコニコしていて、

 

 

 

後ろ向きになった時は、怒ってたりする。

 

 

 

なかなかスパルタだった!笑

生きている人間より、かなり。。笑

 

 

 

 

そして、健太は自分がずっとずっとやりたかったこと、

生涯かけてやりたかったことに舵を切った。

 

 

 

 

 

エイジさんの意志は一貫していた。

 

 

 

 

 

 

 

「希望へ。進め!」

 

 

 

 

 

エイジさんの死から2年ー、

私たち家族は、全然違う景色に立っている。

 

 

 

エイジさんの死がなかったら、

確実に開いていない道だっただろう。

 

 

 

「お義父さんの死がなんだったか」と聞かれたら、

それは、私にとって「希望」だった。

 

 

 

死を希望なんて、ぶっとばされそうな回答だけれど、

エイジさんのおかげで、私は希望を見つけた。

 

 

 

 

エイジさんは、私たちに希望の未来をくれたんだ。

 

 

 

 

 

 

 

「頼んだよ・・・!希望を!」

 

 

 

 

 

 

エピローグ

 

 

 

人の死について書くのはかなり勇気が入りました。

 

 

 

だけれどなぜ今この話を書いたかと考えると、

 

 

 

人の突然の死と、災害や気候変動などの様々な問題は

似ていると感じたからです。

 

 

 

社会は今岐路に立っていると感じます。

 

 

 

こういう時、実は希望を向く方が勇気がいるのです。

 

 

 

 

「頼んだよ・・・!希望を!」

 

 

 

というのは、"マホちゃん"だけでなく

今ここに生きているすべての人へのメッセージであり、

 

 

 

私たちがまったく違う未来を選ぶ、答えです。

 

 

writen by MahoShono

 

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そしてコーヒーしかいなくなった


2019113日 1226




「あー、緊張したぁ」


「なんか疲れたな、やっぱ」


「次の打ち合わせまでちょっと休めるよね?」


「大丈夫。今のうちに昼休憩ね。何食べる?」


「そーばー」


「あ、俺もー」


「じゃ、俺も。冷たいの」


「どうしようかな。なんか腹減ってんのか分かんないや」


「相葉さん、さっきお腹鳴ってたじゃん」


「うっそ。聞こえた?」


「丸聞こえ」


「まじで?やばっ」



松潤。俺、ちょっと外出てきていい?」


「何処行くの、急用?」


「違う。上」


「ああいいよ、蕎麦頼んどくから。それまでに帰っておいでよ」


「うん」



ね、リーダー何処行ったの?上ってなに?」


「ここの屋上だよ。たまにあの人、外の空気吸いたいって行ってんの」


「ここって出られたんだ、屋上」


「えー知らなかった。なんで俺は誘ってくんないんだろ」


「相葉さんがいると息抜きにならないでしょ」


「え、俺がいるとリーダー疲れるの?」


「疲れるとは言ってないでしょ。一人になりたい、とかさ。そういう雰囲気、分かってあげましょうよ」


「俺だって分かるよ、それくらいあれ、翔ちゃんは?」


そういうのも、分かってあげようよ」


「あそっか」


「翔さんも蕎麦だったよね。ちょっと俺、頼んでくる」


「松潤、ごめん。ありがとねー」


「どういたしまして。あ。俺の超スペシャルコーヒー飲む?この前すげえ良い豆貰ったんだ」


「お願いしまーす」


「俺も飲みたい、Jコーヒー!」


「相葉さん、変な名前付けないでよ」








あ、翔くん


「お邪魔ですか?」


「ううん。邪魔じゃない」


「よかった空、きれいだね」


「うん」


「疲れた?」


「全然。朝は眠かったけど」


「喉、平気?」


「ふふっ。翔くんの心配性」


「だって昨夜、咳してたから」


「大丈夫だって言ったじゃん。風邪なんかひいてらんないもん」


「だよね。今日は大人しく寝ることにします」


ホントかよ」


「ほんとホント」


「あ。翔くん、さっきカッコ良かったね」


「ん?」


「ほら、英語で挨拶」


「ああ惚れ直してくれた?」


「うん」


ホントかなぁ?」


「ふふっ」


「そこはホントだよって言ってくれないと」


……


智くん?」


ね、翔くん。俺のこと、好き?」


「何言ってんの、決まってるでしょ」


「ずっと?」


ずっとだよ」


「ふふっ」


「大好きだよあと何千回言ったら信じてくれる?」


なんかさぁ、こうやって空見てたら、ふわーって吸い込まれそうだよね」


うん」


「ただでさえ、いつもフワフワして夢の中にいるみたいなのに」


「うん」


「現実感がなくて、どんどん地面から浮いていって。そうしたら最後はどうなるんだろうね」


どうなるのかなんて分からないけど、こうやってればいいんじゃない?」


「ん?」


「はい。これで智くんだけ浮かないよ」


「翔くんが重り?」


「やだって言っても離れないから。重りになってちょうどいいでしょ?」


「でもずっと手つないでる訳にもいかなくない?」


「俺は全然オッケー」


「ばか。仕事どうすんの。俺連れてzeroやるの?」


「いいよ。視聴者にはちゃんと説明するから」


「有働さんに怒られるぞ」


「あの人なら祝福してくれると思うけど」


翔くんってさ」


「ん?」


「たまに馬鹿だよな」


「ふふっ、兄さんにそう言われるの、結構好き」


「こんな時だけ兄さん呼ばわりすんだから」


「あ、そろそろ蕎麦来るかもよ。下行く?」


「そだな。腹減ってきたな」


「今日はまだまだやる事あるから。体力付けないとね」


「うん。翔くん」


「んっ、


「俺もだいすき」


外でキスするといつも怒るくせに」


「今日は誕生日だから。ハタチのお祝い記念」


じゃあさ、あと19回しとこうよ」


「ばか。蕎麦のびちゃうだろ」


「え〜、蕎麦なんか頼むんじゃなかった


「置いてくぞ」


「ちょ、ちょっと待ってよ」


「あ〜、腹減ったぁ」


「待ってよ、置いてかないでよ」


「ちゃんといるって」




























ほら、ちゃんとここにいるから



























さあ、夢のつづきを一緒に見よう!








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